穂先の水

1年後は既に鼻先に触れているのだけれど

紙と糸、どちらに触れたいかと言われれば迷わず糸。
色を塗る役目を機械に全体重を預けもたれています。
不満も甘えも感じないほど必要のない普遍になった。

たぶんもうすぐ大泣きしながら打ち明けて
糸布衣を掴みに進むという小さな灯がある。



私は自分の話をする時に涙が出て来ますが、
20代位の女性には良くあることと言われた。

「他のどこより熱を持って筋になるのだから
 内蔵の熱さを知る方法の一つに決っている
 げに、その時のわたしは別段悲しくもない」

鼻粘膜の痙攣から始まり、
裏から肉を貫き通っている鼻涙管が同時に震えだし
やがては涙道のすべてが握りつぶされるようにして
ぶあ、と一目散に花への挨拶をしに降られるでした。

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