爪にはかなわぬ

口紅を塗るのは、今でも怖くて出来ません。

幼稚園の時、祖母の化粧する姿を見ていて、
紅刺し仕草が美しく憧れてせがみましたが、

「口紅をすると、唇の持つ本来の赤みが消えてしまうよ。
 毎日すると益々褪せるから、大人は口紅を手放せない。
 そのままの色が一番可愛いいうちに、気を付けなさい。」

と言われて、口紅をしたいと思わなくなり、
今でもちょっと怖くて、口紅を塗りません。

きっとイタズラをしないためだと思っても
その時の祖母は優しく真剣な顔だったので
毎日化粧をする今も、口紅だけは出来ない。

大人になる覚悟を決めた朝、私の紅刺し指に赤が点ります。




口紅彫刻はまたやろう

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