声のざらつきに指先を寄せる

ある人は何度も本を読むのは作者に対して失礼だと言ってたけど
私は全く正反対の事を考えていてそれは今も変わらない思いです。
作ってみると、何度だって開いて欲しいし、そう作りたいと思う。


(デザインの生態学の感想)

この本の第一部は知覚的に周りの環境を捉える、みたいな話です。
何も無い空間に物がある、という見方で環境を感じるのではなく、
均質な媒体と不均質な物質とその境界にあるキメとで感じるとか。

「不均質さで異質な物を見分けるということ」
「まったくキメがないか、
 どこでも同じキメの周囲に取り込まれた時には
 靄のようなもの以外なにも見えないということになります」

この部分の輝きは初見の時から私の中でその光を絶やしません。良い角度で光を反射するキメでありたいな。




化学式、数式、展開図、整理整頓を好きなのと同じテンションで
「生態学」みたいな字面や語感が持つコントラストに惹かれるの。
何何学って何とも混じり合わないような性質を持ってる気がして。
それ自体が幾何学的というか、鉱物的というか、4次元というか。
そして、それら学には色香が漂っている。もう、その表記だけで。
幾何学なんて見ただけで、大きく胸をずんと鳴らすような艶めき。
学の一文字では成立しないエロティックな何かが確実に発生する。エキゾチックな何か、でもいいかも。

私がものを好きなる水平線に、美しい、色っぽい、があるけれど、
そこに引っかかるエキゾチックさが○○学の隅や全体に潜んでいる。
そのエロティックな何かの何は、ベルメールに感じるものと同質。
常に、淡く強く放たれているようなコントラストを持っているの。

五線

鳥と小鳥と鳥 鳥と鳥

(頭文字を左から)