四色の赤い山



仕事場のミシンに慣れてきて家の限界を知る。
いつも無理をさせてごめんね愛しいリッカー。

うらら

どんなに愛しい電話でも一杯の珈琲には敵わないでしょう。
この匂いも苦みも目の前に座る貴方だけに伝わるのだから、
どんな夜中にも白んだ空を背負ってでもマグを手に会おう。
部屋の匂いのまま音を聞いたっていつもの部屋なのだから。

デッキシューズを買わなくちゃ

お直しの仕事が始まりました。
街の小さいお直し屋さんです。

このバイトで作業をしてみて、
デザインしたい訳じゃないというのが明確になった。
いま私が、いちから作っている衣装は創作活動です。
こんなに幸せな衣装の仕事は、そうないと思います。
作りたい物を考えて形にするのだから、本当に幸せ。

演出の求めているものが全然私の好みじゃなければ、
私はきっと、まったく良いものなんて創り出せない。
そういう点がデザインをしないと私に言わせている。

私が考えた物でなくても作っている高揚は確かだし、
仕上がりが美しくあれば更に上昇するのを確認でき、
手で現物を扱う「作業」が自分を満たすと確信した。